曲がる目

暇な学生が書いたものです

高専に入学する予定の中学生に気をつけてほしいこと

偉そうなタイトルで恐縮なのですが、そろそろ中学生も高校受験の為に割りと真剣に勉強している頃だと思いますし、もう進路は大体の人が決定済みな頃でしょう。

 

ここで、来年高専を卒業する私が、これまでの経験を活かして、高専を視野に入れているが本当に高専でいいのか、などと迷える受験生達に、高専生活にあたっての注意点などをお話していきたいと思います。

ただし、私の在籍する高専にしか当てはまらない事も多いかもしれませんので、ご了承下さい。

 

 

 

その1 「女子が少ない」という事に対する覚悟を十分持つように気をつけよう

 

高専を目指している受験生の方々なら、「女子が少ない」という情報は既に入ってきている事だと思われますが、貴方は本当にこの先後悔しない自信を持っているでしょうか。今一度心を確認し直してみてください。

この問題は、男子にとっても、女子にとっても重要な問題です。

 

男子にとって大事なのは、やはり「彼女が出来ないのではないか」という事だと思います。

大体、1クラスが40人だとして、私の高専では女子は平均5人ほどです。比率にして大体8:1。どう勘定しても、普通校の男子に比べてカップル成立の可能性は下がります。

「俺は専門的な知識を学ぶために学校に行くのであって、そのような浮ついた理由で学校を選んだりしないぜ」という硬派な考えを持っている方は立派ではありますが、現在中学校に在籍している方は、会う人間の半分が女性という環境がどれだけ貴重なものだったのか、と言うことを後々噛み締める事になるかもしれません。少なくとも私はそうでした。今では中学校は信じられない空間だったように思えます。

 

女子にとっては、「友達とうまくやっていけるだろうか」という悩みが大きいものと思われます。高専に女子は少ないので、大抵同じクラスの女子は常に一緒に行動しています。

このグループがギスギスしているクラスはとても大変そうです。5人という少数な集団の中で、小さな派閥がいくつもできたり、孤立したりしている様は、傍から見ている男子生徒を恐怖、萎縮させるものです。

逆にクラスの女子全員が超仲良しで旅行とか言ったりしてる楽しそうなグループも見えます。少人数であるがゆえに、友達関係が良い方向に転ぶか、悪い方向に転ぶかが極端気味になっていると思われます。

 

 

 

その2 理数系科目や専門系科目に本当に興味があるかどうか気をつけよう

 

私の意見ですが、高専への入学を検討するに当たって一番大事な事だと思います。

後にも述べますが、高専においては留年する生徒の割合が普通高校と比べて段違いに多いです。それに加えて、高専を途中で辞めてしまう生徒も数多く居ます。

私の学科では、最終的にストレートで5年生になった生徒の割合は約3分の2ほどでした。3分の1は、留年または退学しています。

 

そして、私の調べでは、「留年する人」の中にも理数・専門科目に興味があるという人はよく見かけますが、「学校を辞めてしまった人」は、もれなく"高専での勉強に全く興味が持てない”という事を退学の理由に挙げています。

 

高専を中退するというのは、正直言ってかなりリスキーな事です。

高専ではセンター試験や大学受験のための授業はしないため、3年次から普通高校の生徒と同じように大学を受験しようとしても、かなり難しい戦いに身を置くことになります。(3年修了時の取得単位数に問題が無ければ高校卒業の資格が認められます)

また、留年を重ねた挙句結局退学してしまう、というのは高専でよく見られる、悪い言い方ですが、悲惨な光景です。容赦なく言うと、無駄にそこらの高卒より年を取った高卒、あるいは中卒になる恐れがあります。

 

高専を選ぶ」ということは、ほぼ自分の運命を決定してしまう、という事でもあります。将来選ぶ事のできる職種もほとんど学科の専門性に影響を受けることになり、本当にやりたかった仕事に手が届かなくなってしまうかもしれません。

大体の人は、このような将来の決定はもう少し後になってから行います。すなわち、高校での理系、文系の選択や、大学進学の時などです。

中学生にとって、このような決定は少々荷が重いのです。それでも自分には高専へ進む道しか無いのだ、という方は、是非高専の門を叩いてください。きっと後悔はしないはずです。

 

 

その3 周りに流された結果、意識を低く持つことの無いように気をつけよう

 

これは、高専に入学した後の注意点です。

高専は5学年まであり、かなり長い間同じ場所で過ごすことになります。

それが理由で、高専への倦怠感というのは誰しもが少なからず持つようになっていくと思います。

問題は、他人の影響でその感覚をこじらせないようにする、という事です。

 

「ダルい」という感情は、個人のうちで勝手に持っているぶんにはそれほど大した影響を与えることにはならないのですが、誰かがそれを口に出して「ダルいよなあ」と言っってしまうと、一瞬で連鎖反応を起こしてしまいます。

それはいつしか共感を越え、「え?真面目にやってる俺がおかしいの?」という同調圧力になる場合があります。この時、一人の優秀な人材が堕落の道に足を踏み外してしまうのです。

 

高専では確かにダルいレポートやダルい科目なども多く存在します。

ですが、勉強は「楽しい」と思えなければ本当に損です。

勉強が苦しいものと思い込んでしまうと、救われるのは休み時間に友達と愚痴りあっている時だけで、それよりも遥かに長い授業時間をずっと苦痛に感じる羽目になります。

 

先程も述べましたが、高専では驚くほど多くの人間が留年します。

 

くれぐれも、周りの風潮に飲まれた結果、周りに置いていかれるという事の無いように、気をつけてください。

 

 

その4 オタクは意外と浮くので気をつけよう

 

これも私の学校だけなのかもしれませんが、「高専はオタクが多い」という世間の感覚に反して、いやそれはまあ事実なのですが、意外と体育会系であったり、全くオタク気質のない爽やかな奴が結構います。そしてやはりそういう奴らがクラスの中心になります。

 

確かに高専にはオタクが多いのですが、オタクは高専でも「あいつはオタク」と認知されます。理系の中でも更にオタク率の高い、情報系の学科でもこのような感じです。

 

高専はオタクの楽園」という理想を秘めている方は、少し注意しておいたほうが良いかもしれません。

 

 

その5 交通事故に気をつけよう

 

私の通う高専ではバイク通学が一定の年齢になると可能なので、バイクを購入する学生がはちゃめちゃ多いです。そして事故る人もはちゃめちゃ多いです。

私はバイクの免許を持っていないのですが、バイクに乗っている友人は皆楽しそうで羨ましいです。

でも皆何かしら一回はケガしてるので、恐ろしいです。

バイクも自転車も安全運転を心がけましょう。

 

 

 

 

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以上で、高専生活にあたって気をつけて欲しいことは出し尽くしました。

最後の方はムリヤリひねり出した感がありますが、それでも大事な事です。

 

高専は、人を選びますが私は素晴らしい所だと思います。

就職に関してはとてつもなく高い就職率を誇りますし、進学をするにしても、専攻科への進学や大学への編入学が可能です。

編入学は普通にセンターなどを受けて入学するよりも簡単ですし、文系科目など余計な勉強をする必要もありません。

とにかく勉強に興味を持ち続ければ、毎日はそれなりに楽しいです。

 

受験生のみなさんのご健闘をお祈りしております。